加工

BLOG

【加工】光学レンズの種類

概要

レーザーなどで光を集めたり、拡散させるために使われる光学レンズ。光学レンズとは光学ガラスから作られる、カメラ、顕微鏡、望遠鏡などで広く使用されています。特に産業界では、高精度・高品質なレンズが多く使われています。民生品でも、特に高額なカメラや望遠鏡などでは、高性能なレンズが使われています。

この光学レンズには、球面レンズ、非球面レンズ、屈折率分布レンズ、特殊形状レンズの大きく 4 つの種類があります。

特徴

各レンズの特徴を見ていきます。

球面レンズは、最も基本的な表面が球形状をしたレンズです。メガネなどにも用いられ、その形は球面状のカーブを描いており、中央部分と周辺部で見え方に差があります。最も綺麗に見える箇所は中心部分で、中心部分から離れるほど歪んで見えるようになってしまいます。これを収差といいます。さらに、強度(高い集光にするほど)になるほど厚みも出てしまいます。

非球面レンズは、このような球面レンズのデメリットを解決したレンズで、球面収差をなくすために、レンズカーブが高次非球面形状に設計されています。周辺部の歪みが少なく、クリアで快適な視界を得ることができ、さらに球面レンズよりも薄くて軽いのが特徴です。収差を抑えることができますが、その分、加工に技術が必要で、一般的に高価です。

屈折率分布レンズは、光軸方向と直交方向に材料内部の屈折率を変化させたレンズで、空気とレンズの屈折率の違いを利用せず、レンズ内の屈折率差を利用するため、一般レンズと異なる形状が可能となります。代表例としては、光ファイバなどに用いられます。

特殊形状レンズは、光を一方向のみに集光するため、レーザ光を細く集光したり、シート状の光の形成が可能となります。市リンドリカルレンズ等が相当します。

構成

レンズを複数枚組み合わせて、より所望の集光、拡散特性を生み出す組み合わせレンズという構成があります。

光学レンズの組み合わせでは。屈折率、分散率の異なる光学ガラスの組み合わせや、球面曲率の違うレンズの組み合わせで様々な特性を実現します。例えば写真レンズには、前後に同じ組み合わせのレンズを配した対称型と、異なる組み合わせのレンズを配置する非対称型があります。色収差や球面収差、コマ収差、非点収差、像の歪みなど、レンズ固有の欠点を最小化し、画像の鮮明化をはかることを目的としています。収差が大きいと像がぼけたりゆがんだりします。

さいごに

レンズは、光を集めたり、広げたりと重要な役割を果たしています。我々の身の回りにもたくさん使われていますが、たいへん奥が深い部品です。

参考

【レーザー】医療機器の進化に寄与する微細レーザー技術

はじめに

医療機器の進化は、近年の技術の発展によって驚くべき成果を上げています。その中でも、微細レーザー技術は医療分野における重要な革新となっています。微細レーザー技術が医療機器の進化にどのように寄与、貢献しているかをまとめてみます。

レーザーの医療への応用

1.高精度な加工と微細な部品の製造:

    1. 微細レーザー技術は、その高い精度と確実な加工能力によって医療機器の製造に大きく貢献しています。例えば人工関節やインプラントデバイスなどの製造においては、微細な部位や複雑な構造を精密に加工することが求められます。スポット径が小さく、短時間に高いエネルギーで加工できる微細レーザー加工技術を用いることで、高い品質と信頼性を持つ部品が加工されます。それにより、高度な医療機器の製造が可能となり、患者の生活の質の向上に寄与します。

2.無痛治療と最小侵襲の実現:

    1. 微細レーザー技術は、医療機器の無痛治療と最小侵襲の実現にも大きく貢献しています。従来の手術方法では、大きな切開や侵襲が必要でしたが、微細レーザー技術を用いることで、非侵襲的な手術や治療が可能となります。これは、適切な波長を選択されたレーザー光は、組織にダメージを与えることなく、病変部位や細胞を破壊することができるためです。これにより、患者の回復期間が短縮され、合併症のリスクが減少します。

3.バイオセンサーとしての応用:

    1. 微細レーザー技術は、医療機器のバイオセンサーとしても重要な役割を果たしています。例えば、血液中の特定の成分や細胞の検査において、微細レーザー技術を使用することで、高感度かつ非侵襲的な検査が可能となります。レーザーの光を利用して、微細な変化や異常を検出することで、早期の病気の診断やモニタリングが可能となります。

さいごに

微細レーザー技術は、医療機器の進化において重要な役割を果たしています。その高精度な加工能力や無痛治療の実現、バイオセンサーとしての応用など、多岐にわたるメリットを提供しています。医療の未来をより良くするためには、微細レーザー技術のさらなる研究と開発が必要です。私たちの日常の健康と幸福に寄与する微細レーザー技術のさらなる進化に期待できます。

【加工】レンズの作り方

概要

多くの場合、レーザーはレンズを用いて集光されます。レーザー加工においては非常に重要なキーパーツです。ここでは、レーザー機器等で使用される光学レンズの製造工程を示します。

全体の流れ

以下に全体の流れを示します。
  1. ガラスの溶解
  2. ガラス切断、丸め
  3. 荒ずり
  4. 砂かけ
  5. 研磨
  6. 芯取り
  7. コーティング

製造工程

1. 溶解

まず、材料となる物質を混ぜて光学ガラスの溶解及び冷却を行います。用途ごとに適した透過率や屈折率となるように様々な材料を1300~1500度になるまで加熱して溶解します(溶解ガラス)。次に、型に移し、600℃ぐらいまで冷やされ、その後ゆっくりと2週間程度かけて冷却します。この時点では、白く曇ったガラスとなっています。 従来は、粘土製のるつぼで行われてきましたが、新種のガラスでは粘土を侵食する問題があったため、内部に白金をコーティングされたるつぼが開発されました。

2. 切断、丸め

冷却されたガラスは、必要な大きさのブロックに切断されて、外形を丸く削られます。

3. 荒ずり

ガラスの表面をレンズの球面にするために、カーブジェネレータ―と呼ばれる装置を使い形状を出していきます。ガラスを回転させて置き、カップ状の人工ダイヤモンド工具で、その角度を変化させながら目的の曲率(R)や厚みまで削ります。うまくRを付ける必要があり、重要な作業です。形状に誤差があると収差の原因となります。この時点でも、レンズは白く曇った状態です。

4. 砂かけ(精研削)

砂や人工ダイヤペレットを鋳物で出来ている皿状の治工具に貼り付け、仕様形状にしたがって荒ずり工程より細かく正確に削ります。より精密な研削を行うため、材料に合わせたダイヤの選定が必要なります。複数のレンズを同時に磨く方が効率がよく正確な球面となるため、多くのレンズをまとめて研削します。 この時点では、加工されたガラスは若干の透過がみられるようになりますが、まだすりガラス状となっています。

5. 研磨

レンズ表面を磨き上げます。ポリウレタンなどを貼った磨き皿と、酸化セリウムなどの研磨剤が利用されます。ポリウレタンパッドを貼り付け回転させ、酸化セリウムなどの研磨剤を流しながら、傷が無く、図面通りの面精度、中心厚になるよう磨き上げます。不適切な材料で研磨を行うと、レンズが傷だらけになったり、全体的にぼけたり、部分的に像を結ばないといった品質低下の原因となります。 この工程は最後の仕上げ工程ですので表面形状、粗さがサブミクロンオーダーの正確さで加工されます。 加工後のレンズは、曲率を確認するために原器と重ねてニュートンリングを観察して検査します。

6. 芯取り

レンズの表裏の曲率中心を結ぶ光軸を調整する最終的な工程です。レンズ外形が光軸に対して対称となるように加工します。 レンズの外径を真円に近づくように人工ダイヤモンドのホイールで削ります。レンズを両側から挟みこんで、表面の滑りを利用してレンズ中心を出すベルクランプ法が利用されます。このダイヤモンドホイールにも様々な形状があり、各レンズに選択します。

7. コーティング

最終工程であるコート工程では研磨後のレンズ表面に、反射防止の薄膜を蒸着させ、何層も重ねます。蒸着とは真空状態のチャンバー内で、化学物質をとばして成膜することです。反射があると、光の透過率が落ち、画像が暗くなったり、不要な像が出たりします。 単層コーティングでは、MgF2(フッ化マグネシウム)が使われます。多層膜は、様々な物質が利用されます。

歴史

光学レンズの作り方は約200年前にニュートンなどが改良し完成させた方法が、今でも基本的な原理となっています。 現在は、もっと高い精度のレンズを大量に安く作るように工夫されています。

参照

【加工】レーザによる重ね溶接

【前置き】

みなさん、こんにちは! 今日は非常に興味深く、そして、もしかするとこれまで聞いたことのない技術について語ってみようと思います。それは「レーザによる重ね溶接」です。ステイク溶接とも呼ばれています。

 

レーザによる重ね溶接(ステイク溶接)とは

それでは、いよいよ本題に入っていきましょう。「レーザによる重ね溶接(ステイク溶接)」という用語は、ちょっと聞きなれないかもしれませんね。でも、これが結構すごいんですよ!

まず、「レーザ」とは何か、これは知っていますよね? 光を増幅し、強力な光線を作り出す装置のことを指します。まるでSF映画のようにも聞こえますが、今や現実の世界で広く使われているんです。

そして、「重ね溶接」、これは一体何なのでしょう? もっともシンプルに言えば、一つの部品を何層にも重ねて溶接することを指します。それぞれの層が薄いため、とても精密な作業が要求されます。

これら二つを組み合わせたのが、「レーザによる重ね溶接」です。レーザの強力な光線を使って、何層もの薄い部品を溶接し、一つの堅固な部品にするのです。

特に「ステイク溶接」という言葉がついていますが、これは「レーザによる重ね溶接」の一種で、レーザの光線をピンポイントで当てることで、部品の特定の部分だけを溶接する方法を指します。これにより、部品の他の部分を傷つけずに溶接することが可能になります。

まとめると、「レーザによる重ね溶接(ステイク溶接)」は、レーザの強力な光線を使って薄い部品を何層にも重ねて溶接し、その中でも特定の部分だけを精密に溶接する技術なんですね。

いかがでしょうか、すごい技術でしょ? 次はこの技術がどんな課題を解決してくれるのか、それについて見ていきましょう!

 

ステイク溶接を採用することで解決できる課題

さて、先ほどは「レーザによる重ね溶接(ステイク溶接)」が何かを説明しましたね。でも、実際のところ、どうしてこんな特殊な溶接技術が必要なんでしょう? 答えは、これが解決できる課題にありますよ!

一言で言うと、ステイク溶接を採用することで解決できる主な課題は、「精密性と安全性の向上」です。

一般的な溶接技術では、熱による影響が避けられません。部品の形状が変わってしまう、表面が損傷する、強度が低下する…。これらは溶接によって引き起こされる典型的な問題です。

しかし、ステイク溶接ならこれらの問題を大きく軽減できます。なぜなら、レーザをピンポイントで当てることができるからです。溶接したい部分だけを的確に熱することで、他の部分への影響を最小限に抑えることができるのです。

また、部品の小さな部分を溶接する必要がある場合、通常の溶接では難しい作業が求められますよね。でもステイク溶接なら、細かい部分もきれいに溶接することが可能になります。これは特に、電子機器や医療機器など、精密さが求められる分野で大きな助けとなります。

以上のように、ステイク溶接を採用することで、一般的な溶接技術では困難だった「部品の小さな部分の溶接」や「部品全体への影響の最小化」などの課題を解決することが可能になります。

これが、ステイク溶接が持つ真の価値なんですよ。次は、このステイク溶接がどんなメリットを持っているのか、具体的に見ていきましょう!

 

【ステイク溶接のメリット】

最初に挙げられるメリットは、やっぱりその「精密さ」ですね。ステイク溶接を使えば、ミクロン単位の超微細な溶接が可能になるんです。これはまさに「レーザー溶接」の真骨頂。つまり、精密機器の製造においては欠かせない技術なんですよ!

次に、これが本当にすごいんですが、「物質に対する影響が少ない」こと。レーザーによる熱の影響は極めて局所的で、溶接箇所以外への影響を最小限に抑えることができます。つまり、高品質な製品を作る上で、これ以上ないくらい理想的な溶接方法といえるでしょう。

そして、「作業時間の短縮」も見逃せません。レーザーによるステイク溶接は、トラディショナルな溶接技術と比べて大幅に時間を短縮できるんです。これは、生産性向上に大いに貢献しますよ。

さらに、”クリーン”な溶接が可能な点も見逃せません。レーザー溶接は、焼けやスパッタなどの不純物をほとんど発生させない。つまり、製品のクリーンさを維持することができるんです。

もちろん、すべてがメリットだけではありません。設備投資が必要だったり、操作には専門知識が必要だったりと、ハードルは存在します。しかし、そのメリットを考えれば、それらをクリアする価値は十分にあるといえるでしょう。

これがステイク溶接の真のメリットです。次は、この全てをまとめて、ステイク溶接がなぜ「打痕なく綺麗に溶接ができる」のか、その理由を見ていきましょう!

まとめ:打痕なく綺麗に溶接ができる!

というわけで、我々が今日までに見てきたステイク溶接、そしてそれが如何に「打痕なく綺麗に溶接ができる」か、そのエッセンスをしっかりと把握できましたか?

まず始めに、レーザによる重ね溶接、つまりステイク溶接の原理を掘り下げました。この超精密なレーザ技術が、どのようにして微細な部分をピンポイントで溶接するのか、そのメカニズムについて触れましたね。

次に、その結果として解決できる課題について考えてみました。従来の溶接法では到底難しかった微細な溶接が、このステイク溶接によって可能になる。それによりどんな問題が解消できるのか、その具体的な例を見ました。

さらに、ステイク溶接の数々のメリットについても詳しく掘り下げました。精密さ、溶接範囲への最小限の影響、作業時間の短縮、クリーンな溶接――これら全てが、ステイク溶接が提供する強力なベネフィットです。

だからこそ、ステイク溶接は「打痕なく綺麗に溶接ができる」んです。そこには確固たる理由と、それを支える技術的な根拠が存在するのです。

もちろん、全てがうまくいくわけではありません。設備投資や専門的な知識が必要など、課題はまだまだあります。ですが、その労力とコストを考えても、ステイク溶接がもたらすメリットは十分に価値があると言えるでしょう。

この記事が、あなたがステイク溶接という驚くべき技術について理解を深める手助けとなることを心から願っています。今後とも、最新の技術とその可能性について、一緒に探求していきましょう!


ここまで読んでいただき、ありがとうございました!この記事が役立つと思ったら、是非シェアをお願いします。

 

参考

重ね溶接の強度の確保と仕上げ作業の軽減
ファイバーレーザー溶接『ステイク溶接』スポット溶接の打痕問題解消
日本工業規格 JIS Z 3001-5:2013

 

【加工】微細レーザー溶接と3Dプリンター技術の組み合わせによる革新的な製品製造

はじめに

製品製造の世界では、技術の進歩によって新たな可能性が広がっています。その中でも、微細レーザー溶接や精密3Dプリンターなど微細な加工を行う技術は特に注目されています。

これらの技術を組み合わせることにより、さらに複雑な構造や多様な素材を持つ製品の製造が可能となり、既存の考えにとらわれない柔軟な形状の部品の加工や、修復や改修も実現できる道筋が見えてきました。

本記事では、今、注目されている微細レーザー溶接と3Dプリンター技術の組み合わせによる製品製造の特長について探っていきます。

技術

微細レーザー溶接と精密3Dプリンターは、それぞれが単独でも魅力的な技術です。

微細レーザー溶接では、従来よりかなり小さな部品を溶接できます。トレンドとなっている大出力レーザーではなく、小出力高精度レーザーを用いることで微細な溶接を実現できます。多くは、パルスモードのファイバーレーザーや短パルスレーザーなど、極々微小な時間で加工を完了させるレーザー光源を用います。

一方、金属粉末を焼結させて造形する3Dプリンタは、層を積層させるようにして立体構造を作り上げていきます。ステンレスなどの金属粉は数十㎛と微小で微細な構造体を作ることができます。金属粉体の溶融には、同じくレーザーを用いますが、こちらは連続発振のレーザーを走査して任意の層構造を実現しています。

これらを合わせることで、柔軟な立体形状を型を用いることな多品種大量に低コストで実現できます。

3Dプリンターで造形した部品を微細レーザー溶接で接合したり、逆に、微細レーザー溶接で接合した部品をさらに3Dプリンターで追加造形することが検討されています。

特徴

以下のような特徴があります。

  1. 複雑な構造の実現: 3Dプリンター技術は、コンピューター制御の層積重ねにより製品を作り出す革新的な方法です。この技術を微細レーザー溶接と組み合わせることで、複雑な形状や内部構造を持つ製品を実現することができます。たとえば、医療機器や航空機部品など、厳密な要件を持つ製品において、高度なデザインと機能性を兼ね備えた製品を作り出すことが可能です。
  2. 素材の多様性と耐久性: 3Dプリンター技術は、様々な種類の素材を使用して製品を作成することができます。また、微細レーザー溶接によって異なる素材同士を溶接することができるため、複合素材や異種素材の組み合わせによる製品を製造することができます。この組み合わせによって、製品の耐久性や強度を向上させることができます。さらに、素材の選択肢が広がることで、製品の特性に合わせた最適な素材を選ぶことができます。
  3. 修復と改修の容易さ: 微細レーザー溶接と3Dプリンター技術の組み合わせにより、既存の製品の修復や改修が容易になります。破損した部分をレーザー溶接で修復したり、新しい部品を3Dプリンターで作成して交換することができます。これにより、製品の寿命を延ばすだけでなく、カスタマイズやアップグレードも容易に行うことができます。製品の修復や改修が簡単に行えることで、継続的なメンテナンスや製品のアフターサービスもスムーズに行えます。

さいごに

微細レーザー溶接と3Dプリンター技術の組み合わせは、製品製造における革新的な手法です。複雑な構造の製品の実現や多様な素材の利用、修復と改修の容易さなど、さまざまな特長があります。この組み合わせは、製品のデザインや機能性を向上させるだけでなく、効率的な製造プロセスを可能にします。今後の技術の発展とともに、微細レーザー溶接と3Dプリンター技術の組み合わせがますます重要な役割を果たすことが期待されます。

【加工】レーザによるスポット溶接

はじめに

溶接は、2つ以上の材料を結合するための手法であり、多くの産業で広く利用されています。しかし、その溶接にはサイズ的に大小さまざまなスケールが存在しています。その中でも微細レーザ溶接と(電気的なマクロな)スポット溶接は特に興味深い比較対象となります。

スポット溶接

形態と方法

溶接形態には様々ありますが、その中でもスポット溶接とは、金属を溶接するための一般的な方法で、2つの金属片の接触部分をスポット(点)で加熱し、金属を溶かし、一体化させる方法です。通常は電気で加熱することが行われます。

溶接手法の点では、微細レーザ溶接があります。これは、名前の通り、レーザ光を用いて微細な溶接を行う方法です。この技術は、繊細な部品や高精度を必要とするアプリケーションにとって最適であり、微細で精密な加工ができるレーザの特長をいかした溶接手法と言えます。

電気を用いたスポット溶接と微細レーザスポット溶接の違いは、使用するエネルギー源とその精度にあります。電気的なスポット溶接は電気を使用し、微細レーザ溶接はレーザ光を使用します。

電気的なマクロなスポット溶接は、溶接棒を接触させて加工します。スポットサイズがmmレベル以上と大きく、その形状の精度も高くありません。

一方で微細レーザスポット溶接は、非接触レーザを使用して金属を溶接する非接触プロセスです。レーザは、正確で再現性のあるエネルギーと持続時間を制御できます。このレーザ光が部品上の一点(1mm以下でも制御可能)に集中すると、エネルギー密度は非常に大きくなります。この光エネルギーは材料に吸収され、焦点を当てたビームが金属の一部を穿孔し、蒸発させ、溶融させる「キーホール効果」を引き起こします。レーザ照射が終わると、キーホール周辺の溶融金属が戻り、固化して小さなスポット溶接を作り出します。この全過程は数ミリ秒しかかかりません​1​。

レーザは毎秒多くのパルスを放つことができ、作業物や光学部品を移動させることで、別々の「スポット」溶接または一連の重なるスポット溶接を作り出すことができます。これを連続的に実施することで密閉されたレーザシーム溶接を作成することが可能です​1​。

このように、微細スポット溶接では、幅が0.1nm以下と微小な範囲の溶接に威力を発揮します。また、深さの調整も可能で、nm~mmオーダーまで幅広い特長があります。加工速度も速く、溶接速度は数メートル/秒と高速です​1​。

この技術は幅広い範囲の材料に適用できることも特長です。例えば、鉄鋼、ニッケル合金、チタン、アルミニウム、銅などの金属、PET、PEN、アクリルなどの樹脂も溶接できます。

応用例

微細レーザスポット溶接の典型的な応用例としては、100マイクロスポット溶接以下のコイル溶接、銅タブをスチールバッテリー缶への高速溶接、ワイヤーのリングスポット溶接、医療器具の溶接などがあります​1​。

レーザスポット溶接は一般的なレーザ溶接と比べて、更に精密な操作が可能であり、その結果としてより微細な部品の結合が可能になります。電子部品や医療機器など、微細な部品を使用する産業にとって非常に価値があります。これが、微細レーザ溶接が高付加価値を生み出すと言われる理由です。

さいごに

微細レーザスポット溶接は、通常の電気的なスポット溶接より、微細な範囲を正確に溶接できる特徴があります。そのサイズ、高速性から付加価値の高い溶接方法であると言えます。

マイクロエッヂプロセス株式会社では、レーザ微細溶接を得意としております。ご要望がありましたら、お気軽にお問合せください。

【加工】微細レーザ溶接の原理

はじめに

レーザ溶接は、現代の製造業で広く使用されている技術の一つです。

しかし、その中でも特に注目すべきは「微細レーザ溶接」です。これは、極めて小さな部品に対する精密な溶接を可能にする進歩した技術で、その精度と適用性は医療、自動車、航空宇宙など、様々な産業で評価されています​1​。

レーザ溶接と微細レーザ溶接の違い

レーザ溶接と微細レーザ溶接は、両者ともレーザ光を用いて金属などの素材を溶かし、固めて接合するという基本的な原理は同じです。しかし、その適用範囲と精度には大きな違いがあります。

一般的なレーザ溶接は、サイズの大きな部品や構造体の接合に使用されます。そのため、比較的大きなエネルギーと熱を利用します。

これに対して、微細レーザ溶接は、小さな部品や微細な構造の接合に使用されます。寸法としては、厳密な定義はありませんが、おおよそ1mm以下程度の溶接範囲を指しています。そのため、使用するレーザも低出力で良い場合が多く、仕様エネルギーの点でもメリットがあります。また、連続発振のレーザだけではなく、パルス発振のレーザも用いられます。

微細レーザ溶接の原理

微細レーザ溶接の技術は、レーザ光の特性を利用しています。レーザ光は一定の方向に集中する性質を持っており、そのエネルギーを狭い範囲に集中させることで、特定の部分だけを高速に溶かして接合します。その結果、非常に小さな部品でも、その精度を損なうことなく溶接することが可能になります。

微細レーザ溶接には、溶接の種類によってさまざまな方法があります。例えば、伝導モード溶接は、低エネルギーレベルで幅が広くて浅い溶接を行います。一方、キーホールモード溶接はその幅に比べて深い溶接を行います。さらに、スキャナ溶接やシーム溶接といった他の方法もあります。部品の種類や接合強度等で、必要な溶接方式が適用されます。

微細レーザ溶接は、金属だけでなく、ガラスなどの他の素材にも適用できます。超短パルスレーザを使用したガラス溶接は、特に注目すべき技術で、非常に高い温度でガラスを溶かしつつ、熱影響領域(HAZ)を極めて小さい範囲に制限することが可能です。その結果、割れを発生させず、非常に高い精度でガラス部品を接合することができます。

微細レーザ溶接の利点

微細レーザ溶接は、その精度と効率性から多くの利点があります。特に、溶接部分の熱影響を小さく制限できるため、溶接後の変形や損傷を防ぐことができます。さらに、溶接の位置精度が高いため、微細な部品でもその形状や機能を維持することが可能です。さらに、レーザの種類や方式を選択することで、さまざまな溶接方法が利用可能であるため、部品の種類や溶接部位によって最適な溶接方法を選択することができます。

これらの利点から、微細レーザ溶接は、医療機器、自動車部品、航空宇宙部品など、多くの産業で利用されています。その精度と適応性は、これらの産業で高く評価され、広く利用されています。

まとめ

レーザ溶接は、その精度と効率性から広く利用されていますが、その中でも微細レーザ溶接は特に注目すべき技術です。小さな部品や複雑な形状の接合に対するその能力は、多くの産業で評価され、さまざまな応用が可能です。微細レーザ溶接の理解は、現代の製造技術の理解を深め、より良い製品作りに役立つことでしょう。

参考文献:

  1. Micro Laser Beam Welding – Microscopic Laser Welding Services | Superior Joining Technologies, Inc.
  2. A review on glass welding by ultra-short laser pulses – IOPscience