微細

BLOG

【加工】電子部品の微細レーザー溶接

はじめに

電子部品の微細レーザー溶接は、微細な部品や材料を高精度で接合するための技術です。このプロセスは、レーザー光を使用して熱源を提供し、被溶接部材の一点に熱を集中させて加熱することで材料を溶かして、接合を行います。電子機器の製造や微細機械部品の組み立てでは、この技術が広く使用されています。

電子部品の微細レーザー溶接

原理

以下に、微細レーザー溶接の基本的な要点を説明します。

レーザー光源 : 微細レーザー溶接には、通常Nd:YAGレーザーやファイバーレーザーなどの高出力レーザーが使用されます。これらのレーザーは、高エネルギーの光を非常に小さなスポットサイズに集中できるため、微細な溶接に適しています。

光吸収 : 溶接を行う材料は、使用するレーザー光の波長によって異なる吸収特性を持ちます。適切な波長を選ぶことで、被溶接材料が効果的に加熱されることが保証されます。金属材料では、532nm,  355nm などを用いると、効率的です。

スポットサイズとエネルギー制御 : レーザービームのフォーカスを微細に調整することで、狭い範囲に高エネルギーを供給できます。これにより、微細な部品や接合部を精密に溶かすことができます。光学系や使用するレーザー波長によりますが、数十µm程度の微細スポットを実現することもできます。

溶融と冷却 : レーザー光によって被溶接部材が溶けた後、冷却が必要です。適切な冷却方法を使用して急速に冷却することで、材料が正しく結合し、強度が確保されます。酸化を防ぐ効果も含めて、アルゴンガスや窒素ガスで冷却することもあります。

制御と自動化 : レーザー溶接は高度な制御と位置決めが必要です。ロボットアームやコンピュータ制御システムを使用して、正確な位置合わせとレーザービームの照射を行うことができます。ビームの走査は、溶接加工条件と上手くマッチングさせる必要があり、非常に重要な要素です。特に立体的な材料に対しては、ビームの走査が難しいですが、センサを組み合わせることで高精度に制御する試みもなされています。

具体例

以下には電子部品のレーザー微細溶接の具体例を列挙します。

チップ実装 : 電子基板上にある微細なチップ(半導体デバイス)を接続する際に使用されます。例えば、マイクロプロセッサやメモリチップを基板に接続するために、微細レーザー溶接が用いられます。はんだ付けの場合もあります。

導線接続 : 電子回路内の導線を接続する際に使用されます。微細な導線を正確に位置合わせし、高精度で接続することが可能です。

電子部品の固定 : 電子部品同士を正確に位置合わせして固定するために使用されます。例えば、スイッチやセンサーなどの微細な部品を基板に確実に固定する際に利用されます。

電極接合 : 電子デバイス内の異なる部品間で電気的な接続を行う際に使用されます。例えば、電池やキャパシタなどの電極を接続する際に微細レーザー溶接が適用されます。最近では、特にEV用の電池の接合に多用されています。

封止 : 電子部品を保護するために、微細な封止やカプセル化を行う際に使用されます。このプロセスにより、部品が外部からの影響を受けにくくなります。特に小さい部品の時には、微細レーザー溶接が有効です。

フィラメント接続 : フィラメントや微細な配線を電子部品に接続する際に使用されます。高精度な接続が要求される場面で利用されます。

センサーの組み立て : 高精度なセンサーの組み立てや微細な部品の接続に使用されます。例えば、温度センサーや圧力センサーなどの製造プロセスで微細レーザー溶接が利用されます。

さいごに

このように微細レーザー溶接は、電子機器の製造や組み立てにおいて広く使われており、高い精度と信頼性持っています。今後、様々なレーザーが開発され、活躍の範囲がさらに広がりそうです。

【レーザー】医療機器の進化に寄与する微細レーザー技術

はじめに

医療機器の進化は、近年の技術の発展によって驚くべき成果を上げています。その中でも、微細レーザー技術は医療分野における重要な革新となっています。微細レーザー技術が医療機器の進化にどのように寄与、貢献しているかをまとめてみます。

レーザーの医療への応用

1.高精度な加工と微細な部品の製造:

    1. 微細レーザー技術は、その高い精度と確実な加工能力によって医療機器の製造に大きく貢献しています。例えば人工関節やインプラントデバイスなどの製造においては、微細な部位や複雑な構造を精密に加工することが求められます。スポット径が小さく、短時間に高いエネルギーで加工できる微細レーザー加工技術を用いることで、高い品質と信頼性を持つ部品が加工されます。それにより、高度な医療機器の製造が可能となり、患者の生活の質の向上に寄与します。

2.無痛治療と最小侵襲の実現:

    1. 微細レーザー技術は、医療機器の無痛治療と最小侵襲の実現にも大きく貢献しています。従来の手術方法では、大きな切開や侵襲が必要でしたが、微細レーザー技術を用いることで、非侵襲的な手術や治療が可能となります。これは、適切な波長を選択されたレーザー光は、組織にダメージを与えることなく、病変部位や細胞を破壊することができるためです。これにより、患者の回復期間が短縮され、合併症のリスクが減少します。

3.バイオセンサーとしての応用:

    1. 微細レーザー技術は、医療機器のバイオセンサーとしても重要な役割を果たしています。例えば、血液中の特定の成分や細胞の検査において、微細レーザー技術を使用することで、高感度かつ非侵襲的な検査が可能となります。レーザーの光を利用して、微細な変化や異常を検出することで、早期の病気の診断やモニタリングが可能となります。

さいごに

微細レーザー技術は、医療機器の進化において重要な役割を果たしています。その高精度な加工能力や無痛治療の実現、バイオセンサーとしての応用など、多岐にわたるメリットを提供しています。医療の未来をより良くするためには、微細レーザー技術のさらなる研究と開発が必要です。私たちの日常の健康と幸福に寄与する微細レーザー技術のさらなる進化に期待できます。

【マイクロ溶接】微細レーザー溶接を用いたジュエリー溶接: ロウ付けとの比較

ジュエリー溶接の概要

ネックレスやリング、ブローチなどの金属部分が折れたり切れてしまった場合には「溶接」という方法を用いて修理する事が可能です。本記事ではこれらの溶接方法としてよく用いられる、「微細レーザー溶接」と「ロウ付け」についてその解説と比較を紹介します。

微細レーザー溶接概要

微細レーザー溶接とは指向性や集中性の良い波長の光をレンズで集め、きわめて高いエネルギー密度のレーザー光を利用して行う微細な溶接のことを指します。

ロウ付けの概要

レーザー溶接と対照的にネックレスなどの溶接によく用いられる方法に「ロウ付け」があります。ここでいう「ロウ」とはロウソクのことではなく、金属の接合時に用いる合金のことを指します。ロウ付けではこのロウを溶融させることで、接着剤として金属の接合を可能とします。そのためここで使用するロウ(合金)は素材となる金属よりも融点の低いものを使用する必要があります。

宝石溶接におけるレーザー溶接の利点

  • 熱に弱い宝石を使用したジュエリーにも使用可能であること。宝石には熱に弱い特徴があるため、これを使用したジュエリーの溶接は宝石部に熱を与えないように行う必要があります。微細レーザー溶接は短時間に局所的に熱を加えるため熱影響が少ない溶接が可能出る事が特徴です。そのため、熱に弱い素材(宝石)を含むジュエリーの溶接も可能です。
  • 溶接材料として素材と同じ材料が使用可能なため、溶接部分が目立ちにくいこと
  • 溶接後の再研磨の必要がないこと。例えばシルバーの溶接にロウ付けを使用した場合、高温によりシルバーが白くなるため、再研磨の必要性が出てきます。
  • 極めて細かい箇所の溶接が可能であること微細溶接の名前の通り、ルーペを用いなければ見えないような細かい箇所の溶接も可能です。

デメリット

欠点がないかのように思われるレーザー溶接ですが、ロウ付けに比べて劣る点も存在します。

  • 見える範囲しか溶接する事ができないこと。ロウ付けの場合、例えばリング等の切断面にロウを流すことで、中心部などの見えない部分もしっかり接合することができます。一方で、レーザー溶接ではレーザーの照射ポイントしか溶接できず、中心部などの溶接は難しいため、強度面で劣ってしまう場合があります。
  • 技術者が少なく、技術の習得にも時間がかかること。レーザー溶接は高度な技術を要するため、技術の習得にはかなりの時間を要します。
  • 溶接機械が高価であること。
  • 加工コストが高いこと。

参考文献

  1. レーザー溶接って何?【クロムハーツの修理&カスタム情報】
  2. ロウ付けって何?【クロムハーツの修理&カスタム情報】

SHADOW溶接

背景

近年、電子部品の小型化が進み、それに伴って金属薄板接合の需要が高まっています。しかし、薄板は熱による変形が生じやすく、ギャップのコントロールも難しいという問題点があります。

一般に薄板の溶接にはパルスレーザが用いられますが、加熱と冷却の繰り返しや不適切なパラメータの設定により、試料が歪む可能性が高くなってしまいます。

これらの問題を解決するため、フラウンフォーファー・レーザ技術研究所はSHADOW溶接技術を開発しました。これは、高ピークパワーのパルスレーザーを高速で走査する技術で、試料の歪みを抑え、一般的なレーザー溶接の課題となる高反射率の材料溶接にも適応可能という特長があります。

 

概要

「SHADOW溶接技術」は、”Stepless High Accurate and Discreet One pulse Welding” のイニシャルをとったもので、連続溶接の長所とパルス溶接の長所を併せ持ち、微小部品の高精度溶接に適した技術です。ドイツのフラウンフォーファ研究所とレーザーメーカであるLASAG(現:Coherentグループ)の共同開発により生まれました。1パルスを高速で照射するため、パルスYAGレーザによる連続溶接と考えることもできます。

特徴

  •  パルス溶接と比較して、より滑らかな溶接ビードが形成可能なため、微小部品の溶接に非常に適しています。
  • 1パルスのみの溶接のため、微小部品への熱負荷を最小化することができます。
  • 高速度溶接なので、熱による歪は最小限にすることができます。
  • 連続溶接なので良好な溶接表面を得ることができます。

最後に

研究所とメーカが共同開発した技術で、理論的のみならず、実践的にも ” 使える ” 技術と言えそうです。微細化が進む分野では特に重要な技術となりそうです。

参考

光通信における微細レーザー溶接の利用

はじめに

光通信においても、微細レーザー溶接技術が使われています。微細レーザー溶接は、高速で信頼性の高いデバイスの製造やコンポーネントの組み立てに利用されています。以下に光通信分野での微細レーザー溶接の利用例を示します。

製造技術例

ファイバーコネクタの製造:

光ファイバーコネクタの製造において、ファイバーとコネクタの精密な結合が求められます。微細レーザー溶接は、ファイバー端面とコネクタの端面を正確に接合するために使用されます。これにより、低損失で高品質な信号伝送が実現されます。

光モジュールの製造:

光通信機器内の光モジュールの製造においても微細レーザー溶接が利用されます。光送信部分や光受信部分の微細な部品の組み立てや接合に使用され、高い信号品質と安定性が確保されます。接合は、樹脂などで行われる場合が多いです。

レーザーダイオードの製造:

光通信機器に使用されるレーザーダイオード(LD)の製造においても微細レーザー溶接が利用されます。異なる部品や層を高精度に結合することで、高性能なレーザーダイオードを実現します。特に、金属の封止材料等の溶接に多用されます。

ウェーブガイドの接合:

光導波路やウェーブガイドを接合する際に微細レーザー溶接が使用されます。これにより、光信号の伝送や分配において低損失で高い効率を実現できます。また、導波路そのものをレーザーにて加工する研究開発も進められています。

光スイッチの製造:

光スイッチは光信号の切り替えや制御に使用される重要なデバイスです。微細レーザー溶接を使用して、光スイッチ内の微細な部品や導波路を高精度に接合することで、信号の効率的な切り替えが可能となります。

AWG(Arrayed Waveguide Grating)の製造:

AWGは多重波長光信号を分散させるデバイスで、光通信ネットワークで広く使用されています。微細レーザー溶接は、AWGの製造プロセスで導波路の接合や位置調整に使用されます。

最後に

このように、微細レーザー溶接は、光通信機器の高性能化や信頼性の向上に貢献する重要な技術として広く活用されています。

【加工】レーザによる重ね溶接

【前置き】

みなさん、こんにちは! 今日は非常に興味深く、そして、もしかするとこれまで聞いたことのない技術について語ってみようと思います。それは「レーザによる重ね溶接」です。ステイク溶接とも呼ばれています。

 

レーザによる重ね溶接(ステイク溶接)とは

それでは、いよいよ本題に入っていきましょう。「レーザによる重ね溶接(ステイク溶接)」という用語は、ちょっと聞きなれないかもしれませんね。でも、これが結構すごいんですよ!

まず、「レーザ」とは何か、これは知っていますよね? 光を増幅し、強力な光線を作り出す装置のことを指します。まるでSF映画のようにも聞こえますが、今や現実の世界で広く使われているんです。

そして、「重ね溶接」、これは一体何なのでしょう? もっともシンプルに言えば、一つの部品を何層にも重ねて溶接することを指します。それぞれの層が薄いため、とても精密な作業が要求されます。

これら二つを組み合わせたのが、「レーザによる重ね溶接」です。レーザの強力な光線を使って、何層もの薄い部品を溶接し、一つの堅固な部品にするのです。

特に「ステイク溶接」という言葉がついていますが、これは「レーザによる重ね溶接」の一種で、レーザの光線をピンポイントで当てることで、部品の特定の部分だけを溶接する方法を指します。これにより、部品の他の部分を傷つけずに溶接することが可能になります。

まとめると、「レーザによる重ね溶接(ステイク溶接)」は、レーザの強力な光線を使って薄い部品を何層にも重ねて溶接し、その中でも特定の部分だけを精密に溶接する技術なんですね。

いかがでしょうか、すごい技術でしょ? 次はこの技術がどんな課題を解決してくれるのか、それについて見ていきましょう!

 

ステイク溶接を採用することで解決できる課題

さて、先ほどは「レーザによる重ね溶接(ステイク溶接)」が何かを説明しましたね。でも、実際のところ、どうしてこんな特殊な溶接技術が必要なんでしょう? 答えは、これが解決できる課題にありますよ!

一言で言うと、ステイク溶接を採用することで解決できる主な課題は、「精密性と安全性の向上」です。

一般的な溶接技術では、熱による影響が避けられません。部品の形状が変わってしまう、表面が損傷する、強度が低下する…。これらは溶接によって引き起こされる典型的な問題です。

しかし、ステイク溶接ならこれらの問題を大きく軽減できます。なぜなら、レーザをピンポイントで当てることができるからです。溶接したい部分だけを的確に熱することで、他の部分への影響を最小限に抑えることができるのです。

また、部品の小さな部分を溶接する必要がある場合、通常の溶接では難しい作業が求められますよね。でもステイク溶接なら、細かい部分もきれいに溶接することが可能になります。これは特に、電子機器や医療機器など、精密さが求められる分野で大きな助けとなります。

以上のように、ステイク溶接を採用することで、一般的な溶接技術では困難だった「部品の小さな部分の溶接」や「部品全体への影響の最小化」などの課題を解決することが可能になります。

これが、ステイク溶接が持つ真の価値なんですよ。次は、このステイク溶接がどんなメリットを持っているのか、具体的に見ていきましょう!

 

【ステイク溶接のメリット】

最初に挙げられるメリットは、やっぱりその「精密さ」ですね。ステイク溶接を使えば、ミクロン単位の超微細な溶接が可能になるんです。これはまさに「レーザー溶接」の真骨頂。つまり、精密機器の製造においては欠かせない技術なんですよ!

次に、これが本当にすごいんですが、「物質に対する影響が少ない」こと。レーザーによる熱の影響は極めて局所的で、溶接箇所以外への影響を最小限に抑えることができます。つまり、高品質な製品を作る上で、これ以上ないくらい理想的な溶接方法といえるでしょう。

そして、「作業時間の短縮」も見逃せません。レーザーによるステイク溶接は、トラディショナルな溶接技術と比べて大幅に時間を短縮できるんです。これは、生産性向上に大いに貢献しますよ。

さらに、”クリーン”な溶接が可能な点も見逃せません。レーザー溶接は、焼けやスパッタなどの不純物をほとんど発生させない。つまり、製品のクリーンさを維持することができるんです。

もちろん、すべてがメリットだけではありません。設備投資が必要だったり、操作には専門知識が必要だったりと、ハードルは存在します。しかし、そのメリットを考えれば、それらをクリアする価値は十分にあるといえるでしょう。

これがステイク溶接の真のメリットです。次は、この全てをまとめて、ステイク溶接がなぜ「打痕なく綺麗に溶接ができる」のか、その理由を見ていきましょう!

まとめ:打痕なく綺麗に溶接ができる!

というわけで、我々が今日までに見てきたステイク溶接、そしてそれが如何に「打痕なく綺麗に溶接ができる」か、そのエッセンスをしっかりと把握できましたか?

まず始めに、レーザによる重ね溶接、つまりステイク溶接の原理を掘り下げました。この超精密なレーザ技術が、どのようにして微細な部分をピンポイントで溶接するのか、そのメカニズムについて触れましたね。

次に、その結果として解決できる課題について考えてみました。従来の溶接法では到底難しかった微細な溶接が、このステイク溶接によって可能になる。それによりどんな問題が解消できるのか、その具体的な例を見ました。

さらに、ステイク溶接の数々のメリットについても詳しく掘り下げました。精密さ、溶接範囲への最小限の影響、作業時間の短縮、クリーンな溶接――これら全てが、ステイク溶接が提供する強力なベネフィットです。

だからこそ、ステイク溶接は「打痕なく綺麗に溶接ができる」んです。そこには確固たる理由と、それを支える技術的な根拠が存在するのです。

もちろん、全てがうまくいくわけではありません。設備投資や専門的な知識が必要など、課題はまだまだあります。ですが、その労力とコストを考えても、ステイク溶接がもたらすメリットは十分に価値があると言えるでしょう。

この記事が、あなたがステイク溶接という驚くべき技術について理解を深める手助けとなることを心から願っています。今後とも、最新の技術とその可能性について、一緒に探求していきましょう!


ここまで読んでいただき、ありがとうございました!この記事が役立つと思ったら、是非シェアをお願いします。

 

参考

重ね溶接の強度の確保と仕上げ作業の軽減
ファイバーレーザー溶接『ステイク溶接』スポット溶接の打痕問題解消
日本工業規格 JIS Z 3001-5:2013

 

【加工】微細レーザー溶接と3Dプリンター技術の組み合わせによる革新的な製品製造

はじめに

製品製造の世界では、技術の進歩によって新たな可能性が広がっています。その中でも、微細レーザー溶接や精密3Dプリンターなど微細な加工を行う技術は特に注目されています。

これらの技術を組み合わせることにより、さらに複雑な構造や多様な素材を持つ製品の製造が可能となり、既存の考えにとらわれない柔軟な形状の部品の加工や、修復や改修も実現できる道筋が見えてきました。

本記事では、今、注目されている微細レーザー溶接と3Dプリンター技術の組み合わせによる製品製造の特長について探っていきます。

技術

微細レーザー溶接と精密3Dプリンターは、それぞれが単独でも魅力的な技術です。

微細レーザー溶接では、従来よりかなり小さな部品を溶接できます。トレンドとなっている大出力レーザーではなく、小出力高精度レーザーを用いることで微細な溶接を実現できます。多くは、パルスモードのファイバーレーザーや短パルスレーザーなど、極々微小な時間で加工を完了させるレーザー光源を用います。

一方、金属粉末を焼結させて造形する3Dプリンタは、層を積層させるようにして立体構造を作り上げていきます。ステンレスなどの金属粉は数十㎛と微小で微細な構造体を作ることができます。金属粉体の溶融には、同じくレーザーを用いますが、こちらは連続発振のレーザーを走査して任意の層構造を実現しています。

これらを合わせることで、柔軟な立体形状を型を用いることな多品種大量に低コストで実現できます。

3Dプリンターで造形した部品を微細レーザー溶接で接合したり、逆に、微細レーザー溶接で接合した部品をさらに3Dプリンターで追加造形することが検討されています。

特徴

以下のような特徴があります。

  1. 複雑な構造の実現: 3Dプリンター技術は、コンピューター制御の層積重ねにより製品を作り出す革新的な方法です。この技術を微細レーザー溶接と組み合わせることで、複雑な形状や内部構造を持つ製品を実現することができます。たとえば、医療機器や航空機部品など、厳密な要件を持つ製品において、高度なデザインと機能性を兼ね備えた製品を作り出すことが可能です。
  2. 素材の多様性と耐久性: 3Dプリンター技術は、様々な種類の素材を使用して製品を作成することができます。また、微細レーザー溶接によって異なる素材同士を溶接することができるため、複合素材や異種素材の組み合わせによる製品を製造することができます。この組み合わせによって、製品の耐久性や強度を向上させることができます。さらに、素材の選択肢が広がることで、製品の特性に合わせた最適な素材を選ぶことができます。
  3. 修復と改修の容易さ: 微細レーザー溶接と3Dプリンター技術の組み合わせにより、既存の製品の修復や改修が容易になります。破損した部分をレーザー溶接で修復したり、新しい部品を3Dプリンターで作成して交換することができます。これにより、製品の寿命を延ばすだけでなく、カスタマイズやアップグレードも容易に行うことができます。製品の修復や改修が簡単に行えることで、継続的なメンテナンスや製品のアフターサービスもスムーズに行えます。

さいごに

微細レーザー溶接と3Dプリンター技術の組み合わせは、製品製造における革新的な手法です。複雑な構造の製品の実現や多様な素材の利用、修復と改修の容易さなど、さまざまな特長があります。この組み合わせは、製品のデザインや機能性を向上させるだけでなく、効率的な製造プロセスを可能にします。今後の技術の発展とともに、微細レーザー溶接と3Dプリンター技術の組み合わせがますます重要な役割を果たすことが期待されます。

【加工】レーザによるスポット溶接

はじめに

溶接は、2つ以上の材料を結合するための手法であり、多くの産業で広く利用されています。しかし、その溶接にはサイズ的に大小さまざまなスケールが存在しています。その中でも微細レーザ溶接と(電気的なマクロな)スポット溶接は特に興味深い比較対象となります。

スポット溶接

形態と方法

溶接形態には様々ありますが、その中でもスポット溶接とは、金属を溶接するための一般的な方法で、2つの金属片の接触部分をスポット(点)で加熱し、金属を溶かし、一体化させる方法です。通常は電気で加熱することが行われます。

溶接手法の点では、微細レーザ溶接があります。これは、名前の通り、レーザ光を用いて微細な溶接を行う方法です。この技術は、繊細な部品や高精度を必要とするアプリケーションにとって最適であり、微細で精密な加工ができるレーザの特長をいかした溶接手法と言えます。

電気を用いたスポット溶接と微細レーザスポット溶接の違いは、使用するエネルギー源とその精度にあります。電気的なスポット溶接は電気を使用し、微細レーザ溶接はレーザ光を使用します。

電気的なマクロなスポット溶接は、溶接棒を接触させて加工します。スポットサイズがmmレベル以上と大きく、その形状の精度も高くありません。

一方で微細レーザスポット溶接は、非接触レーザを使用して金属を溶接する非接触プロセスです。レーザは、正確で再現性のあるエネルギーと持続時間を制御できます。このレーザ光が部品上の一点(1mm以下でも制御可能)に集中すると、エネルギー密度は非常に大きくなります。この光エネルギーは材料に吸収され、焦点を当てたビームが金属の一部を穿孔し、蒸発させ、溶融させる「キーホール効果」を引き起こします。レーザ照射が終わると、キーホール周辺の溶融金属が戻り、固化して小さなスポット溶接を作り出します。この全過程は数ミリ秒しかかかりません​1​。

レーザは毎秒多くのパルスを放つことができ、作業物や光学部品を移動させることで、別々の「スポット」溶接または一連の重なるスポット溶接を作り出すことができます。これを連続的に実施することで密閉されたレーザシーム溶接を作成することが可能です​1​。

このように、微細スポット溶接では、幅が0.1nm以下と微小な範囲の溶接に威力を発揮します。また、深さの調整も可能で、nm~mmオーダーまで幅広い特長があります。加工速度も速く、溶接速度は数メートル/秒と高速です​1​。

この技術は幅広い範囲の材料に適用できることも特長です。例えば、鉄鋼、ニッケル合金、チタン、アルミニウム、銅などの金属、PET、PEN、アクリルなどの樹脂も溶接できます。

応用例

微細レーザスポット溶接の典型的な応用例としては、100マイクロスポット溶接以下のコイル溶接、銅タブをスチールバッテリー缶への高速溶接、ワイヤーのリングスポット溶接、医療器具の溶接などがあります​1​。

レーザスポット溶接は一般的なレーザ溶接と比べて、更に精密な操作が可能であり、その結果としてより微細な部品の結合が可能になります。電子部品や医療機器など、微細な部品を使用する産業にとって非常に価値があります。これが、微細レーザ溶接が高付加価値を生み出すと言われる理由です。

さいごに

微細レーザスポット溶接は、通常の電気的なスポット溶接より、微細な範囲を正確に溶接できる特徴があります。そのサイズ、高速性から付加価値の高い溶接方法であると言えます。

マイクロエッヂプロセス株式会社では、レーザ微細溶接を得意としております。ご要望がありましたら、お気軽にお問合せください。

【加工】レーザ溶接と短パルスレーザ

レーザ溶接と短パルスレーザの関係

レーザ溶接は、その高い精度と制御性により、微細な部品を結合させる手法として広く使用されています。レーザの観点からすると、短パルスレーザは、その特異な性能から微細レーザ溶接において先進的な技術と言えます。この記事では、レーザ溶接における短パルスレーザの役割と利点について解説します。

短パルスレーザの特徴

短パルスレーザは、非常に短いパルス幅を持つレーザです。通常、数ナノ秒から数百ナノ秒のパルス幅を持つレーザの事を指します。この短いパルス幅により、レーザのエネルギーが非常に短時間だけ高強度で照射されます。

従来のレーザは、連続的に発振し続けるものであったり、パルス幅がマイクロ秒やミリ秒と長いものが多くありました。しかし、近年の技術の進歩で、短パルスレーザに分類されるナノ秒レーザや、超短パルスレーザと言われるピコ秒、フェムト秒レーザが開発され、産業応用されるようになってきました。

短パルスレーザの溶接応用の利点

短パルスレーザは、さまざまな特長があります。この技術を微細溶接に応用したときの利点は次の通りです。

  1. 小さな熱影響:短パルスレーザは、熱影響の領域(HAZ)が非常に小さいです。熱エネルギーを非常に短い時間だけ集中して照射させるため、溶接部周辺の HAZ を最小限に抑えることができます。これにより、微細な部品の溶接においても熱変形や材料の劣化を最小限に抑えることができます。
  2. 高い制御性: 短パルスレーザは非常に高い制御性を持ちます。パルス幅や出力を微調整することで、溶接プロセスのパラメータを細かく調整することができます。これにより、微細な溶接シームの作成や特殊な材料への対応が可能となります。
  3. 高い精度: 短パルスレーザは高い熱生成精度や照射位置精度を実現できるため、微細な部品の溶接に適しています。溶接シームの幅や深さ、及び、その位置を正確に制御することができます。
  4. 材料の広範な対応性: 短パルスレーザは、様々な材料に対応することができます。金属、プラスチック、セラミックスなど、さまざまな材料に対して高品質な溶接を実現することができます。また、波長を適切に選択することで、その効果はさらに高まります。

まとめ

短パルスレーザは、レーザ溶接において熱影響ゾーンの最小化、高い制御性、高い精度、および広範な材料の対応性を提供します。微細な部品の溶接において特に効果的であり、高品質な溶接を実現することができます。

参考文献:

  1. “Laser Welding 101: A Beginner’s Guide”, MachineMfg
  2. “Micro Welding: What You Need To Know [2023]”, Welding Central

【加工】レーザによるキーホール型溶接

はじめに

レーザ溶接の一つに「キーホール型溶接」という方法があります。この技術は、自動車、航空宇宙、医療機器などの製造業界で広く用いられており、その精密さと効率性から多大な評価を受けています。

キーホール型溶接とは?

まず、キーホール型溶接とは何か、その基本的なプロセスを説明いたします。

この溶接は、レーザビームの照射によって材料を溶融し、深い「キーホール」と呼ばれる穴を作り出します。レーザが素材に浸透すると、キーホールはレーザビームに続いて移動し、素材が再び固化するときには、一連の連続した接合部を形成します。このプロセスは、比較的深い接合部を作り出すことができるため、厚い部品の溶接に特に有用です。

このように、穴(キーホール)を空けて、複数の素材を溶接して結合することを「キーホール型溶接」といいます。

特徴

キーホール型溶接の特長は、その精度と効率性にあります。

レーザビームは直接、特定の領域に熱を供給するため、溶接の精度が高く、また、迅速な冷却が可能です。これにより、部品の変形や損傷のリスクが低減し、高品質な製品の製造が可能になります。

レーザでの得意な溶接手法と言えるでしょう。

キーホール型溶接の応用例

具体的な使用例を紹介します。

  • 重機製造
    • 大型機器や装置の製造において、厚い鋼板を結合するためにキーホール型溶接が利用されます。
  • 造船
    • 造船業では船の船体やその他の構造物の製造において、厚い鋼板を結合するために利用されます。
  • 航空宇宙
    • 航空機や宇宙船の部品を製造する際に、強度と精度が求められます。キーホール型溶接は、そのような要求を満たすための技術として利用されます。
  • 自動車
    • 自動車のボディパーツやエンジン部品の製造において、キーホール型溶接が利用されます。これは、自動車部品の製造では、強度、耐久性、そして精度が重要な要素となるからです。
  • 建築・土木
    • 建築物やインフラの製造において、鉄骨や他の構造材料を結合するためにキーホール型溶接が利用されます。

この技術は、産業界全体でその有用性と効率性から高く評価されています。今後も、さらなる技術進歩とともに、その使用範囲は広がっていくと考えられます。

 

参考

– Laser Welding Modes: Conduction, Transition, & Keyhole Welding – Baison

–  Laser and Laser-Arc Hybrid Welding in European Shipbuilding – TWI