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【加工】電子部品の微細レーザー溶接

はじめに

電子部品の微細レーザー溶接は、微細な部品や材料を高精度で接合するための技術です。このプロセスは、レーザー光を使用して熱源を提供し、被溶接部材の一点に熱を集中させて加熱することで材料を溶かして、接合を行います。電子機器の製造や微細機械部品の組み立てでは、この技術が広く使用されています。

電子部品の微細レーザー溶接

原理

以下に、微細レーザー溶接の基本的な要点を説明します。

レーザー光源 : 微細レーザー溶接には、通常Nd:YAGレーザーやファイバーレーザーなどの高出力レーザーが使用されます。これらのレーザーは、高エネルギーの光を非常に小さなスポットサイズに集中できるため、微細な溶接に適しています。

光吸収 : 溶接を行う材料は、使用するレーザー光の波長によって異なる吸収特性を持ちます。適切な波長を選ぶことで、被溶接材料が効果的に加熱されることが保証されます。金属材料では、532nm,  355nm などを用いると、効率的です。

スポットサイズとエネルギー制御 : レーザービームのフォーカスを微細に調整することで、狭い範囲に高エネルギーを供給できます。これにより、微細な部品や接合部を精密に溶かすことができます。光学系や使用するレーザー波長によりますが、数十µm程度の微細スポットを実現することもできます。

溶融と冷却 : レーザー光によって被溶接部材が溶けた後、冷却が必要です。適切な冷却方法を使用して急速に冷却することで、材料が正しく結合し、強度が確保されます。酸化を防ぐ効果も含めて、アルゴンガスや窒素ガスで冷却することもあります。

制御と自動化 : レーザー溶接は高度な制御と位置決めが必要です。ロボットアームやコンピュータ制御システムを使用して、正確な位置合わせとレーザービームの照射を行うことができます。ビームの走査は、溶接加工条件と上手くマッチングさせる必要があり、非常に重要な要素です。特に立体的な材料に対しては、ビームの走査が難しいですが、センサを組み合わせることで高精度に制御する試みもなされています。

具体例

以下には電子部品のレーザー微細溶接の具体例を列挙します。

チップ実装 : 電子基板上にある微細なチップ(半導体デバイス)を接続する際に使用されます。例えば、マイクロプロセッサやメモリチップを基板に接続するために、微細レーザー溶接が用いられます。はんだ付けの場合もあります。

導線接続 : 電子回路内の導線を接続する際に使用されます。微細な導線を正確に位置合わせし、高精度で接続することが可能です。

電子部品の固定 : 電子部品同士を正確に位置合わせして固定するために使用されます。例えば、スイッチやセンサーなどの微細な部品を基板に確実に固定する際に利用されます。

電極接合 : 電子デバイス内の異なる部品間で電気的な接続を行う際に使用されます。例えば、電池やキャパシタなどの電極を接続する際に微細レーザー溶接が適用されます。最近では、特にEV用の電池の接合に多用されています。

封止 : 電子部品を保護するために、微細な封止やカプセル化を行う際に使用されます。このプロセスにより、部品が外部からの影響を受けにくくなります。特に小さい部品の時には、微細レーザー溶接が有効です。

フィラメント接続 : フィラメントや微細な配線を電子部品に接続する際に使用されます。高精度な接続が要求される場面で利用されます。

センサーの組み立て : 高精度なセンサーの組み立てや微細な部品の接続に使用されます。例えば、温度センサーや圧力センサーなどの製造プロセスで微細レーザー溶接が利用されます。

さいごに

このように微細レーザー溶接は、電子機器の製造や組み立てにおいて広く使われており、高い精度と信頼性持っています。今後、様々なレーザーが開発され、活躍の範囲がさらに広がりそうです。

【加工】レーザ溶接と短パルスレーザ

レーザ溶接と短パルスレーザの関係

レーザ溶接は、その高い精度と制御性により、微細な部品を結合させる手法として広く使用されています。レーザの観点からすると、短パルスレーザは、その特異な性能から微細レーザ溶接において先進的な技術と言えます。この記事では、レーザ溶接における短パルスレーザの役割と利点について解説します。

短パルスレーザの特徴

短パルスレーザは、非常に短いパルス幅を持つレーザです。通常、数ナノ秒から数百ナノ秒のパルス幅を持つレーザの事を指します。この短いパルス幅により、レーザのエネルギーが非常に短時間だけ高強度で照射されます。

従来のレーザは、連続的に発振し続けるものであったり、パルス幅がマイクロ秒やミリ秒と長いものが多くありました。しかし、近年の技術の進歩で、短パルスレーザに分類されるナノ秒レーザや、超短パルスレーザと言われるピコ秒、フェムト秒レーザが開発され、産業応用されるようになってきました。

短パルスレーザの溶接応用の利点

短パルスレーザは、さまざまな特長があります。この技術を微細溶接に応用したときの利点は次の通りです。

  1. 小さな熱影響:短パルスレーザは、熱影響の領域(HAZ)が非常に小さいです。熱エネルギーを非常に短い時間だけ集中して照射させるため、溶接部周辺の HAZ を最小限に抑えることができます。これにより、微細な部品の溶接においても熱変形や材料の劣化を最小限に抑えることができます。
  2. 高い制御性: 短パルスレーザは非常に高い制御性を持ちます。パルス幅や出力を微調整することで、溶接プロセスのパラメータを細かく調整することができます。これにより、微細な溶接シームの作成や特殊な材料への対応が可能となります。
  3. 高い精度: 短パルスレーザは高い熱生成精度や照射位置精度を実現できるため、微細な部品の溶接に適しています。溶接シームの幅や深さ、及び、その位置を正確に制御することができます。
  4. 材料の広範な対応性: 短パルスレーザは、様々な材料に対応することができます。金属、プラスチック、セラミックスなど、さまざまな材料に対して高品質な溶接を実現することができます。また、波長を適切に選択することで、その効果はさらに高まります。

まとめ

短パルスレーザは、レーザ溶接において熱影響ゾーンの最小化、高い制御性、高い精度、および広範な材料の対応性を提供します。微細な部品の溶接において特に効果的であり、高品質な溶接を実現することができます。

参考文献:

  1. “Laser Welding 101: A Beginner’s Guide”, MachineMfg
  2. “Micro Welding: What You Need To Know [2023]”, Welding Central